
ホテル業界では人手不足が進行しており、清掃をはじめとする各業務の効率化が求められています。本記事では、ホテル業界の現状や課題に加えて、清掃業務の効率化に役立つ具体的な対策について詳しく解説します。ホテルの人手不足に悩んでいる人、有効な対策について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
ホテル業界の現状と課題
ホテル業界では、感染症の流行の前後で課題や状況が大きく移り変わっています。ここでは、ホテル業界の現状・課題や移り変わりについて詳しく解説します。感染症の拡大で従業員が過剰に
ホテル業界は長年、人手不足に悩まされてきました。原因は、長時間労働や不規則なシフト、夜勤の多さなどです。しかし、2019年末以降、感染症の拡大により旅行や出張が激減し、ホテル利用者も大きく減少。一部は一時休業に追い込まれ、従業員が過剰な状態になりました。売上が落ち込んだ施設では、残業削減や賞与カットなどの対応がとられましたが、それでも人員整理に踏み切るケースも多く見られました。とくに宴会や飲食の需要が減ったフルサービスタイプのホテルでは、約75%が従業員を削減しています。
今後は人手不足の深刻化が予想される
2019年末から続いた感染症の流行は数年間でピークを超えて落ち着き、2022年からは外国人観光客の受け入れも再開しました。現在ではインバウンド需要も年々高まっており、旅行やホテル業界においても感染症流行前以上の訪日外国人客数を記録しています。しかし、流行時に大幅に減らした人員を短期間で補うのは難しく、とくに従業員カットが顕著であったフルサービスタイプのホテルでは、今後は感染症流行前のように人手不足が深刻化する可能性が高いでしょう。
ホテル清掃の業務効率化のポイント
先述のとおり、インバウンド需要の増加を受けてホテル業界では人手不足の深刻化が予想されています。人手不足解消のためには、従業員数を増やすよりも、少人数でも業務を効率的にこなせるような仕組みづくりについて考えるのが現実的です。ここではホテルの清掃業務にフォーカスを当てて、清掃の効率化について詳しく解説します。清掃マニュアルを作成する
ホテル清掃の業務内容は多岐にわたります。一つひとつの業務を従業員全員が同じ手順・同じクオリティで進められるようマニュアルを完備しておくことで、業務を効率的かつ一定の品質で行えるようになります。また、それぞれの作業の目安時間も記載するとより効果的です。さらに、マニュアルとともに点検表なども作成しておけば、清掃忘れやミスも防止できます。
従業員教育に力を入れる
ホテル清掃を効率的に行うには、従業員教育を徹底することも重要です。とくにこれまで清掃業務の経験がない従業員に対しては、雇用時にていねいな研修を実施することで即戦力として勤務してもらえるでしょう。作業導線を見直す
ホテルの清掃作業では、備品の交換やアメニティの補充なども行います。そのため、備品やアメニティの保管場所が客室から遠すぎると清掃に無駄な時間がかかってしまいます。作業導線を見直し、必要な備品を客室に近い場所へ集約することで、余計な移動時間を省いてスムーズに清掃を終えることが可能です。業務用清掃アイテムを取り入れる
ホテル清掃の作業は、掃除機やワゴンなどの清掃アイテムを業務用のものに変えるだけでも効率化が叶います。業務用の掃除機やスチーマーなどは一度で広範囲を掃除しやすいほか、威力も強いです。また、従業員の手間を減らしたい場合にはロボット掃除機などを取り入れるのも有効です。