
ホテルの宿泊者は、清潔で快適な空間を期待しています。そのため、清掃に関する不備はクレームにつながりやすく、スタッフには細心の注意が求められるのです。この記事では、ホテル清掃に関する代表的なクレーム事例と、それを未然に防ぐためのポイントをご紹介します。ホテル清掃スタッフとして働く方はぜひご一読ください。
ホテル清掃にまつわるクレーム事例
ホテル清掃はホテルの客室掃除や備品の交換、アメニティの補充などを行う仕事です。清掃後はチェックインするお客さんを迎え入れるため、細かな点までチェックしながら清掃しなければなりません。ホテル清掃についてはお客さんからクレームを寄せられることも少なくないため、よくあるクレームの例を押さえておくことで見落としなく作業できます。ここでは、ホテル清掃におけるクレームの事例について詳しく解説します。客室のにおいが気になる
直前に客室を利用していたお客さんの香水・たばこなどのにおいは、部屋のカーペットやカーテンに残りやすいです。通常は清掃時ににおい消し専用のスプレーを使用したり換気したりして対策しますが、清掃後すぐに次のお客さんが入る場合には、においを完全になくすのは難しく、クレームにつながりやすいです。とくに禁煙の客室でお客さんが隠れてたばこを吸ってしまったケースでは、次のお客さんから指摘を受けやすいでしょう。中には部屋が空いていないことを理由に禁煙ルームを喫煙可とする施設もありますが、クレームを避けるためにも、とくにたばこについては慎重に判断する必要があります。
客室内にホコリや髪の毛が残っている
ホテル清掃ではごみなどが残らないようていねいに清掃するのが基本ですが、ときにはホコリや髪の毛が残ってしまうこともあるでしょう。しかし、寝具の上や浴室内に髪の毛などが落ちていると、次に利用するお客さんに不快感を与えてしまうのも事実です。とくに髪の毛は前に使用したお客さんのものである可能性が高く、室内や排水口に残っていると気持ち悪いと感じる人も少なくありません。さらに、寝具やカーペットには前のお客さんだけでなく清掃スタッフの髪の毛が落ちてしまう可能性もあるため、清掃時にはしっかりと髪をまとめて対策しておくことがポイントです。
アメニティの補充が十分でない
歯ブラシやヘアブラシなどのアメニティは宿泊する人数分を用意しなければなりませんが、たとえば4名での宿泊時に3名分しかアメニティがないなど、補充が十分でないとクレームにつながりやすいです。アメニティが足りない場合は従業員が客室まで届けたり、お客さんにフロントまで取りに来てもらったりする手間がかかるため、補充時にしっかりと数・内容をチェックしておくことが重要となります。チェックインまでに清掃作業が終わっていない
とくに長期休暇などの繁忙期では、多くのお客さんがチェックアウトし、その数時間後には同じく多くのお客さんがチェックインします。客室が満室状態となっている場合には、数時間のうちにすべての部屋の清掃を終えなければなりません。しかし、近年ではホテル業界で人手不足が深刻化していることもあり、清掃にあたるスタッフの人数が限られているため、時間内に全客室の清掃を終えるのが難しいケースもあるでしょう。ホテルのチェックインについては、予約時にお客さんに時間を確認しておくのが基本です。
そのため、お客さん側からするとチェックイン時間を知らせているにもかかわらず部屋の清掃が終わっていないとストレスを感じるでしょう。ホテル利用者の中には早く客室でくつろぎたいと考える人も多く、クレームにつながりやすい事例であるといえます。
ホテル清掃に関するクレームを未然に防ぐには
ホテル清掃に関するクレームにはさまざまな事例があります。清掃時にクレームを未然に防ぐための対策を講じておくことで、正確かつ効率的に業務を遂行することが可能です。ここでは、ホテル清掃に関するクレームを防ぐために有効な対策について詳しく解説します。清掃手順のマニュアルを完備する
少ない人材でも効率よく同じクオリティで清掃を進めるには、マニュアルの完備が必須条件です。効率よく清掃できる手順を具体的に決めておくことで、客室の広さや清掃前の状態にかかわらず、基本の流れに沿って作業を進められます。また、新人の清掃スタッフを採用する際もマニュアルがあれば仕事を覚えやすく、指導にかかる時間や手間を抑えられます。
点検を強化する
マニュアルに沿ってていねいに清掃したとしても、とくに繁忙期は見落としや確認不足が起こりやすいです。マニュアルどおりの清掃で見落としやクレームを防ぐには、清掃にあたった従業員以外の人にダブルチェックしてもらうのがおすすめです。ペアを組んでお互いに清掃後の客室を点検し合えば、スムーズにダブルチェックが進むでしょう。